石材・墓石クリーニング

馬鹿と高圧洗浄機は使いようで綺麗に洗える。

全国各地の石材店・葬儀屋・仏壇店・便利屋などの業者が、墓石クリーニングサービスを始めております。愛知県名古屋市にあるフランチャイズ事業本部は、「未経験から特許技術を身に付けられる」の誇大広告で全国から加盟店を募集しています。しかし、酸性や塩素系の特殊洗浄液を墓石に容赦なくぶっかけるだけで高圧洗浄機やポリッシャーを一切使わない「手磨きだけで新品同様によみがえります」と豪語しています。

「馬鹿と鋏は使いようで切れる」とは、人間もその適性を見極めて適した役目を与えれば、決して他に劣ることのない良い結果を生み出してくれるものだという意味です。しかし、最近の鋏はとても良く切れるのでもはや死語になりつつあります。現代風に例えるならば「馬鹿と高圧洗浄機は使いようで綺麗に洗える」と言えるでしょう。ここ数年間での電動工具の進化が、私達を取り巻く環境を変えたのは間違いありません。

「墓石を傷めるような高圧洗浄機やポリッシャーなどは、一切使用しません」と言っている一番の理由は、ただ単に使用方法が分からず技術が乏しいため、石材の性質なども理解できていないからに他なりません。「再研磨に勝る施工なし」と前置きした上で言わせてもらえば、墓地のみで墓石クリーニングした石材店で素直に「いいね！」の合格点を付けられるような業者には、哀しいかな一度も出逢った経験がありません。

「餅は餅屋」とは、物事にはそれぞれの分野の専門家がいて、素人は専門家にはかなわないいという意味のことわざです。餅を作るのは、餅屋が一番上手であるという例えからきています。墓石クリーニングでも、心を込めて丁寧に墓石を掃除する「お墓参り代行」レベルの業者よりは、それを生業としている専門業者に任せるのが、無駄なお金を出費するリスクも大幅に軽減され、ベストの選択であるとお伝えしておきます。

作業工程の上では、墓石を洗浄した後にコーティング剤を塗布します。しかし、理論的には、その逆です。本筋は、「コーティングを施すためのクリーニング」だからです。実際問題、墓石が汚れたままの状態で、コーティング剤を塗布できるはずもなく、肉眼では見えない石材内部にある微細孔の洗浄が必須なのです。微細孔に積もった汚れを落とす施工に関しては、職人の経験と技術が全てであり、失敗など許されません。瞬時に石材表面の劣化状態を見極めながら、最適な電動工具の選定や洗浄方法の選択が常に求められます。石材に過剰なダメージを与えず洗浄した後、最後の仕上げであるコーティング施工となります。

弊社が使用している「無機系封孔剤パーミエイト」は、世界的に認められた唯一無二コーティング剤です。日本国内においても、耐候年数が30年を超えるコーティング剤は存在せず、故に入手も非常に困難です。栃木県内に限っては、製造元：株式会社ディ・アンド・ディから直接仕入れ可能なオンリー１店舗です。Googleなどインターネット上で「パーミエイト」と検索しても、商品価格に関しては一切出てきません。一般の方が、amazon・Yahoo!・楽天などネットショップでの購入は、不可能だとお伝えしておきます。

「毒薬変じて薬となる」は、はじめは害になっていたものが、一変して有益なものになることを言います。同じ物でも、使い方によっては、毒にも薬にもなることに例える言葉です。パーミエイトは、環境に優しい無機系封孔剤なので毒になることはありませんが、塗布方法が非常に難しく、扱い難いのも事実なのです。Googleで「パーミエイト墓石」検索した場合、弊社に関連した情報しか出てこないのが論より証拠です。

昔から日本人は、「安かろう悪かろう」という、短い言葉で説明してきました。値段が安ければ質が落ち、それ相応の品質なので良いものは無いということです。安い物に飛び付けば、粗悪品をつかまされることになります。そして、買い直しが必要など、余計にお金がかかることを「安物買いの銭失い」と表現します。

「安かろう悪かろう」と言っても、「悪かろう安かろう」とは言いません。しかし、「値段が安ければそれだけ質が落ちるであろう安い物に、良い物は無し」と言う事実に何ら変わりありません。ご先祖様から受け継がれた大切なお墓だからこそ、その供養を絶やすことなく末永く、美しく保ち続けていきたいものです。